◇企画展『坂本龍馬と幕末の長崎』@長崎南山手美術館
昨年オープンした長崎の個人美術館で、貴重な個人蔵資料をご主人の案内つきで拝見できる。展示を見た後のコーヒーもまた格別。現在の企画展も見どころ満載で、個人的には長崎奉行(所)関係資料、秋の浦焼、蘇州土の亀山焼、鉄翁・逸雲・小曾根乾堂の扇面などが印象深かった。場所はグラバー園の入り口のところ。
◇収蔵品展「渋沢栄一と孫文」@渋沢史料館
渋沢と孫文の交流にまつわる、おもに第二革命後の亡命時代と、1924~1925年の孫文最後の来日と病没時の資料を中心に展示が構成されている。盛宣懐の書「月圓人壽」と、黄興の書「論語廿篇傳泗水」が出ていた。孫文の北伐宣言書簡(大本営箋)は常設展の方に出ている。孫科からの父死去の電報の文面は、梅屋に宛てたものとほぼ同じ。ふむ。中国工業株式会社・中日実業株式会社の具体的な業務については紹介されていなかった。
◇「明・清陶磁の名品」@出光美術館
最終日。清朝官窯の粉彩は圧巻。官民競市というテーマはとても重要だと思う。
◇逓信総合博物館 ていぱーく 常設展
明治4年の大北電信の機器類について調べている関係で訪れるが、たいへん勉強になった。
・二代広重『開花進歩日用双六』明治12年(まるで長崎事始め一覧みたいな内容だが、近代長崎については、ナイーブな先取権争いに回収されないソリッドな評価の枠組みを形成することが、今後の大きな課題でもある)
・シーボルト所有「電気治療器」(第2回来日時の長崎で、福島の蘭医・江藤長俊に米50駄で譲ったものという。1836年発明のダニエル電池が電源の可能性。うるし塗りで、内部に紙こより銅線があることから、佐久間象山製作か、とのことだが、もしそうなら一体どういうこと?)
・佐久間象山の電気治療器とボルタ電池 万延元年頃(静電気ではなく電池を使った動電機製では日本発とのこと。)
・パネル「電気治療機械解説」(出典不明)
・郵便禁制品の看板 明治16年 駅逓局
・エンボッシングモールス電信機 ペリー持参
・電信機之布告 明治2年
・和文・横(欧)文電信表
・ブレゲ指字電信機
・国産モールス印字電信機 明治12年
◇松丸本舗@丸善丸の内本店
いろいろ楽しめたし、驚いたが、ここで「棚買い」している人がいたのに一番吃驚。