2012年4月2日月曜日

新長崎市史など


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現在長崎市により編纂事業が進められている『新長崎市史』の、第2巻近世編が発刊されました。これが計4巻発刊予定の第1弾で、入手方法についてはここにまとめられています。

手に取られると分かりますが、全編カラーで、図版が豊富です。

今回発刊された近世編は、個人的に思うには、近世貿易都市長崎にまつわる重厚な先行研究の成果を、豊富な図版とともに通覧できるのが最大の特徴で、レファレンスブックとしてきわだった有用性を発揮していると思います。90年前の初代長崎市史(その価値は衰えるどころか、むしろ年々増していますが)の延長的な市史を期待されていた方にはやや違和感があるかもしれませんが、こういう本は今まであるようでなかった。長崎の歴史に興味を持つすべての方々、とくに次の世代の長崎を担う若い人たちが、1人でも多く、この本を利用してくれることを願っています。

ちなみに僕は、8章の阿蘭陀通詞の学問と、9章の各種伝習所と致遠館の部分を執筆しました。これだけでもゆうに数冊の本が書ける領域ですが、先行研究の成果を最大限利用させて頂きつつ、そのエッセンスと思う部分を、とくに長崎に残っている資料を重視しながら、まとめてみました。ご意見・ご教示・ご批判、いずれも大歓迎いたします。

土田健次郎「儒教とは何か」

 土田健次郎「儒教とは何か」、大月杏奈ほか編『儒教のかたち こころの鑑:日本美術に見る儒教』(展覧会図録)サントリー美術館、2024年、8-14頁。 日本の歴史に儒教が果たした役割が簡潔かつ見事にまとめられている。長年の研究で練り上げられた独自の視点と語り口が光っている。こういう...