2012年1月31日火曜日

展示など-2012年1月

◇「魅せられて、インド。――日本のアーティスト/コレクターの眼」@福岡アジア美術館

インドには以前から興味を持っているが、まだ行ったことはない。そういう人は、日本にけっこういると思うし、僕もその1人。この展示では日本人の「インド」にまつわるイメージや表象を追いかけているようなので、じゃちょっと自分の中のインドについてでも考えてみるかと進む。平山郁夫、横尾忠則から、壁一面の絵本、紙袋の山をかきわけて、インド映画、ガネーシャ祭りへ。ダンボールの中のフィギュアをまじまじと眺める。なるほど、いろいろおもしろい。で、結局インドって何なんだろう、とモヤモヤしながら展示室を出る。

◇アジアギャラリー+「キラキラ☆チカチカ-光のアート」+「南アジアの現代美術-ネットワークから世界へ」@同上

せっかくアジ美に来たので、出ていると嬉しいなと思いつつアジアギャラリーに入り、果たして出ていたチャイナ・トレード・ペインティングに感動する。上海バンドの風景や、有名な商人のお庭の風景などを見ていると、長崎の洋風画、とくに川原慶賀のことを思わずにはいられない(ただし慶賀の油絵作品は知らない)。アジ美にはチャイナ・トレード・ペインティングが24点収蔵されるそうだ。香港や大英博物館に良質のコレクションがあるとも聞く。近世日本における洋風画の系譜(ガラス絵も含めて)については、長崎にも資料があまり残っていなくて意外だったが、オランダからの直輸入の事例だけでなく、こうした中国系洋風画との比較研究も進めた方がいいのではと前々から思っている。

0 件のコメント:

コメントを投稿

土田健次郎「儒教とは何か」

 土田健次郎「儒教とは何か」、大月杏奈ほか編『儒教のかたち こころの鑑:日本美術に見る儒教』(展覧会図録)サントリー美術館、2024年、8-14頁。 日本の歴史に儒教が果たした役割が簡潔かつ見事にまとめられている。長年の研究で練り上げられた独自の視点と語り口が光っている。こういう...