2022年4月5日火曜日

2021年度業績

 平岡隆二(共著):日本科学史学会編『科学史事典』丸善出版、2021年(担当:「江戸の天文暦学:西洋天文学知の多様な自己化」318-321頁)

平岡隆二(共著):洋学史学会監修、青木歳幸ほか編『洋学史研究事典』2021年(担当:「沢野忠庵」「ビュルゲル」「西学書」「坤輿万国全図」「長崎遊学」

Ryuji HIRAOKA(共著): Bill M. Mak and Eric Huntington eds. Overlapping Cosmologies in Asia: Transcultural and Interdisciplinary Approaches. Brill, 2022( "Deciphering Aristotle with Chinese Medical Cosmology: Nanban Unkiron and the Reception of Jesuit Cosmology in Early Modern Japan." pp. 98-115).

平岡隆二(共著):平井松午・島津美子編『〈稿本・大名家本〉伊能図研究図録』創元社、2022年(担当:「長崎歴史文化博物館収蔵「伊能図」」267-273頁)。

平岡隆二(共著):岸本恵美・白井純編『キリシタン語学入門』八木書店、2022年(担当:「東西コスモロジーの出会いとキリシタン文献」39-40頁)。

<学会発表等>

HIRAOKA Ryuji:"A Public Cosmology Lecture with a Clockwork Astronomical Model in 18th Century Japan", 26th ICHST 2021 (International Conference of History of Science and Technology), Prague、オンライン、2021年7月28日。

平岡隆二:「イエズス会科学と近世仏教:初中期仏僧の西洋地球説への反応を中心に」、ReMo研合同研究会「科学、医療、宗教の相互連関─中近世のキリスト教と仏教を中心に─、オンライン、2021年9月15日。

平岡隆二:「開陽丸引き上げ文書と梅文鼎『暦算全書』」、洋学史学会オンラインシンポジウム「開陽丸引き揚げ文書について 幕府天文方と開陽丸」、オンライン、2021年11月14日。

HIRAOKA Ryuji:"Buddhist Reaction to the Western Theory of Round Earth in 17th and 18th Century Japan"、The 6th History of Mathematical Sciences: Portugal and East Asia VI: Measuring Time, Heaven and Earth, Seoul、オンライン, 2021年12月9日。

2022年3月26日土曜日

京大宇宙ユニット「宇宙倫理学教育プログラム」受講生募集

 この4月から、京大宇宙ユニットで以下の教育プログラムを実施します。私も科学史の立場から授業の一部を担当します。京大生だけでなく一般の方にも開かれたものなので、関心のある方はぜひ募集案内をご覧ください。


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件名:「宇宙倫理学教育プログラム」受講生募集

宇宙 and/or 倫理 に興味あるみなさま

嶺重(京大・宇宙ユニット長)です。
京都大学宇宙総合学研究ユニット(宇宙ユニット)では2022年度から新しく
宇宙倫理学教育プログラムを実施することになり、受講生募集を開始しま
した。興味がおありの方は、以下の案内をご参照のうえ、応募してください。

【プログラムの趣旨など】
近年、民間の参入等により人類の宇宙進出が本格化しており、これに伴って
既存の知見では対応することが難しい倫理的・法的・社会的問題が生じると
予想されています。宇宙ユニットでは、宇宙開発時代を見越して宇宙倫理学
研究を推進してきました。そして、宇宙開発に関わる種々の倫理的問題に
取り組み、その解決策を提案できるような人材を育成すべく、日本初となる
「宇宙倫理学教育プログラム」の策定を進めてきました。
このほど準備が整い、令和4年度受講生の募集をしています。

応募締切:2022年4月7日
応募資格:高校卒業または同等の資格をお持ちの方どなたでも.。
ただし、週一回(月曜4ー5限、前期は 15:00-18:15 の時間帯)
京都大学吉田キャンパスに通学可能であること。
受 講 料:無料
定 員:京都大学 学部生・大学院生 計10名、一般の方 若干名
(審査により決定します)
備 考: 応募はウェブで受けつけます(下記ウェブページ参照のこと)。
所定の授業を履修し成果発表を行った受講生には、宇宙ユニット
から修了証を発行します。

教育プログラム内容や応募方法については、以下のウェブページ、及び
広報動画をご参照ください。
・宇宙倫理学教育プログラム(SEEP: Space Ethics Education Program)
Webサイト:    https://www.usss.kyoto-u.ac.jp/seep/
広報動画:    https://www.youtube.com/watch?v=ivtS9wXR45c

【参考:こういう人に受講していただきたい】
・宇宙開発に興味をもち、宇宙工学技術者を目指す方
・宇宙飛行士を目指すべく、応募を考えている方
・宇宙科学の推進と倫理的課題との関係に興味をもっている方
・プラネタリウムや科学館にお勤めで、宇宙開発にも関心のある方
・科学技術全般と倫理学との接点に興味を持っている方
・社会科学を研究する立場から宇宙開発に関心をもっている方
など・・・

2022年3月14日月曜日

渡辺庫輔と薮内清、今井溱

「…万屋町には、小林謙貞という天文学、数学史上に重要な位置を占める人も住まっていた。

 謙貞は林吉右衛門について天文、地理、星宿、暦法を修めた。この吉右衛門は、刊本長崎先民像[ママ]には吉左衛門に作ってあるが、稿本長崎先民像[ママ]には吉右衛門に作ってある。これを明らかにされたのは古賀先生であって、今日では吉右衛門が正しいとされているが、これは古賀先生の功である。

 謙貞は二儀略説を著した。この書は内閣文庫にあって、わたしがこの書の存する事を知ったのは薮内清博士の示教によるが、これの写本は今井湊[ママ]さんの好意によって書架に加えることが出来た。」

出典:渡辺庫輔「長崎町づくし(105):郷土史の参考に 残っている若松[ママ]家系図」(長崎新聞、昭和37年7月7日付)

堀田仁助

 明和2年(1765)9月20日付で「堀田兵之助」が渋川図書光洪宛に提出した、天文暦術の誓約書が現存する。これは津和野藩士の堀田仁助(1745-1829、通称ははじめ兵之助、号は泉尹)のことだろう。堀田は天明3年(1783)に幕府天文方属員となり、寛政改暦にも参加し、また地理学・...