印文「投轄楼峯蔵書」(縦長方・陽・朱)、「潔」(円・陽・黒)
永井則『泰西三才正蒙』嘉永3年(1850)刊 <長崎歴史文化博物館 峰440-32>
大村藩の天学家・峰源助(潔。1825~1891頃)の蔵書印である。とりわけ陽刻朱印の方は彼の旧蔵書群(長崎歴史文化博物館・峰文庫)によく捺されている。「投轄」とは、主人が来客を心ゆくまでもてなすため牛車の車輪を留める轄(くさび)を抜き、井戸に投じたという故事に基づく(漢書・陳遵伝「遵耆酒、毎大飲、賓客満堂、輒関門、取客車轄投井中、雖有急、終不得去」)。この号を用いた峰源助も、客と酒を愛する人柄であったに違いない。
登録:
コメントの投稿 (Atom)
『スヘラの抜書』関連文献
A growing bibliography of what has been written on Sufera no nukigaki スヘラの抜書 last updated: 2024.3.27 <primary sources> Sufera no nukigaki ...
-
「…万屋町には、小林謙貞という天文学、数学史上に重要な位置を占める人も住まっていた。 謙貞は林吉右衛門について天文、地理、星宿、暦法を修めた。この吉右衛門は、刊本長崎先民像[ママ]には吉左衛門に作ってあるが、稿本長崎先民像[ママ]には吉右衛門に作ってある。これを明らかにされたの...
-
ここ半年間、このブログにいろいろ書いてきたが、専門である16-17世紀の日欧知識交流について、ほとんど何も書いていないことに気が付いたので、井上筑後守にまつわる先行研究をまとめてみる。 16世紀に始まる日欧知識交流の歴史の中で、幕府大目付・井上筑後守政重(清兵衛尉、号は幽山 15...
-
やくしちょうたんわ Nagasaki interpreters textbook for Chinese and other languages conversations 魏五左衛門著 寛政8年(1796) 長崎の東京通事・魏五左衛門喜輝(1757-1834、号・龍山)が官命に...
0 件のコメント:
コメントを投稿