印文「投轄楼峯蔵書」(縦長方・陽・朱)、「潔」(円・陽・黒)
永井則『泰西三才正蒙』嘉永3年(1850)刊 <長崎歴史文化博物館 峰440-32>
大村藩の天学家・峰源助(潔。1825~1891頃)の蔵書印である。とりわけ陽刻朱印の方は彼の旧蔵書群(長崎歴史文化博物館・峰文庫)によく捺されている。「投轄」とは、主人が来客を心ゆくまでもてなすため牛車の車輪を留める轄(くさび)を抜き、井戸に投じたという故事に基づく(漢書・陳遵伝「遵耆酒、毎大飲、賓客満堂、輒関門、取客車轄投井中、雖有急、終不得去」)。この号を用いた峰源助も、客と酒を愛する人柄であったに違いない。
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