印文「中川家蔵書印」(縦長方・陽・朱)、「中川」(縦長円・陽・朱)
中川忠英監修・高尾維貞他編・石崎融思他画『清俗紀聞』寛政11年(1799)刊<長崎歴史文化博物館 渡辺14_651>
本書『清俗紀聞』は、長崎奉行の中川忠英(1753-1830)が、唐通事や画工らに命じて、来舶清人から中国(とりわけ福建・江蘇・浙江)の風俗習慣にまつわる情報を収集し、まとめさせたもの。この渡辺文庫蔵本は、蔵書印「中川家蔵書印」「中川」の存在などから、監修者の中川自らが所有した特装本と伝えられる。他に「濱田二宮氏図書記」、「小森澤図書章」、「風中書屋」の印も捺されるが、最後者は渡辺文庫の旧蔵者である長崎の郷土史家・渡辺庫輔(1901-1963)氏の蔵書印で、「風中」とは、氏がかつて師事した芥川龍之介からもらった号である。
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